
よく女性は妊娠中から少しずつ母性が芽生えてくるので、母親としての自覚が生まれてくる。男性よりも親としての自覚の準備が進むのが早いと言われていますよね。実際に自分自身が妊娠出産を経験してみて、母親としての自覚について感じたこと、気づいたことをまとめていきたいと思います。
母親になる?母性とは?
そもそも母性って何なんでしょうか?
世界保健機構(WHO)の定義はこうなっています。
「母性とは現に子どもを産み育てるものの他に、将来子どもを産み育てるべき存在およびその役目を果たしたものをいう」
なんだかすごく堅い表現でいまいちピンとこないですね…笑。
私も学生の時に何だこの表現?と思った気がします。要は母としての役割の一つに、妊娠出産育児等により子どもを育てることにより生まれるものが母性。子どもがいなくても存在するものであり、育児の役目が終了してもあるもの。もちろん性別に限ったものではなく、どんな人にも生まれるものが母性である、ということです。
それに加えて愛しい守ってあげたいという気持ちがわいてくることが母性であると学生の時に習った思い出があります。




妊娠中に感じていた事
実際に自分自身の妊娠中の事を思い返してみると、病院で映るモニターの様子を見ては安心し、胎動を感じだすと「今日も元気だね。」と週数を重ねるごとに自然とお腹の中の我が子に話しかけていたように感じます。お腹の中の我が子の体を作っていくのは自分しか今はいないのだから、食べ物に気を付けようとか、転ばないようにと気を使ってもいました。
ただ私の場合は、この感情は母親の自覚という言葉があまりしっくりこなくて、お腹にやっと来てくれた我が子をとにかく正期産までお腹の中で守っていかなくては!という使命感だったような気がします。(この感情が母性というものにつながっていくのかもしれませんが…)
特に、胎動を感じるまでは本当にお腹の中に我が子がいるんだろうか?という疑問のほうが大きく、病院に行ったときに本当にお腹の中に赤ちゃんがいるんだなーと実感していたという感じです。
出産直後は怒涛な体験で頭が追い付かず・・・
出産直後は正直、怒涛過ぎて母親になった!というよりは、目の前の赤ちゃんを生かすのに必死という言葉でしか表現できません。
もちろん「産まれましたよー。」と赤ちゃんを目の前にしたときは、会えてよかったーと安堵し、かわいいと感じましたが、ふにゃふにゃの新生児を抱っこして「私育てられるかな?」という感情も生まれたのが正直(何年も保健師として働き、新生児や赤ちゃんも何人も見てきたのに…、やっぱり自分で体験すると初めて肌身で感じるものがあるんだなと思います)なところです。
母児同室の病院だったので、「今日はナースステーションで赤ちゃんお預かりしますね」という言葉に何度救われたことか。
家に戻ってきてからの闘い
退院し自宅に帰ってからの1か月はさらに怒涛の日々。不安とイライラの波に襲われ続けていて、我が子がかわいいという感情よりも、なんとか無事に今日を終えられた、でもまた今日も来てしまったという無限ループ状態にはまっていたような気がします。(このあたりの話はぜひ里帰りについてのコラムも覗いてみてください)母親になったんだな、という感情を感じている暇もなかったという感じです。
実際に「私って母親という存在で生きているんだ!母親としてやっていくんだな」とふと気づいたのは、2カ月で迎えた最初の予防接種の時。授乳感覚も落ち着き、生活リズムもついてきて散歩できる余裕も出てきて頃です。




この時に受付でも、診察中でも、「お母さん、ママ」と周りからたくさん声を掛けられ、書類の保護者欄には自分の名前を書くことで、私ってこの子の親なんだ、予防接種の副反応があったり何か異常があったときに気づいてあげて責任もって連れてきてあげないといけないのは自分なんだと感じたときでした。
よくよく考えてみると、最初の一カ月は怒涛過ぎて目の前の事しか考えたり行動に移す余裕はなく自分が母親になったと改めて感じる時間は全くありませんでした。さらにちょっと落ち着いてきた1か月が過ぎたころはコロナの影響もあり、自治体等で開催している教室等はほぼ中止。予防接種の期間までに夫や親族以外にこんなに「お母さん、ママ」と私を表現する言葉をかけられたことはありませんでした。
気負わずに一緒に過ごす時間を大切に
もちろん我が子はかわいいし、守ってあげたい。
でも母親としての自覚、自分が母親なんだという思いは妊娠中ずっと一緒に過ごしていて、出産後も何度も授乳して、何度もおむつ替えをしているけど、完全な実感があるかと聞かれればそうでもないような感じです。
周りから向けられた言葉や役割で実感が湧いてきているような気がします。
子どもを守ってあげたいという母性のような気持と、母親としての自覚って実は同時に同じようなスピードで大きくなっていくようなものでもないんだなと実際に自分の妊娠と出産、育児を通して感じています。まだまだ育児も始まったばかりなので、今後どのように感じるか分からないし、考え方も変わるかもしれませんが…
ただ一つ言えるのは「子どもと一緒に過ごす時間があること」で今までにない自分の考え方や物のとらえ方、経験ができているという事。
この経験は大事にしながら保健師としてのスキルアップをしていけたらいいなと思っています。
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